○勝浦市文化財の保護に関する条例
昭和51年6月28日
条例第17号
目次
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 市指定文化財(第4条―第18条)
第3章 市選定保存技術(第19条―第23条)
第4章 市文化財審議会(第24条―第27条)
第5章 補則(第28条)
第6章 罰則(第29条・第30条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)及び千葉県文化財保護条例(昭和30年千葉県条例第8号。以下「県条例」という。)の規定による指定をうけた文化財以外の文化財で市の区域内に存するもののうち重要なものについて、その保存及び活用のために必要な措置を定めるものとする。
(定義)
第2条 この条例において「文化財」とは、法第2条第1項第1号から第4号までに掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財及び記念物をいう。
(財産権等の尊重)
第3条 勝浦市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重しなければならない。
第2章 市指定文化財
(指定)
第4条 教育委員会は、市の区域内に存する文化財のうち重要なものを勝浦市指定文化財(以下「指定文化財」という。)に指定することができる。
2 前項の規定による指定をするには、教育委員会は、あらかじめ指定しようとする文化財の所有者、保持者又は権原に基づく占有者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。ただし、当該文化財の所有者等が判明しない場合は、この限りでない。
4 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに当該文化財の所有者等に通知して行う。
6 第1項の規定による指定をしたときは、教育委員会は、当該指定文化財の所有者等に指定書を交付しなければならない。
(解除)
第5条 指定文化財が指定文化財としての価値を著しく失った場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会は、その指定を解除することができる。
4 前項の場合には、教育委員会は速やかにその旨を告示するとともに、当該指定文化財の所有者等に通知しなければならない。
(所有者等の管理義務及び管理責任者)
第6条 指定文化財の所有者等は、この条例並びにこれに基づく勝浦市教育委員会規則(以下「教育委員会規則」という。)及び教育委員会の指示に従い、指定文化財を管理しなければならない。
2 指定文化財の所有者等は、特別の事情のあるときは、専ら自己に代わり当該指定文化財の管理の責に任ずべき者(以下この章において「管理責任者」という。)を選任することができる。
3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、所有者等は10日以内に、その旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も同様とする。
4 管理責任者には第1項の規定を準用する。
(所有者等の変更等)
第7条 指定文化財の所有者等が変更したときは、新所有者等は、10日以内にその旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 指定文化財の所有者等又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、10日以内にその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(滅失、き損等)
第8条 指定文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者等(管理責任者がある場合は、その者)は、10日以内に、その旨を教育委員会に届け出なければならない。
(所在の変更)
第9条 指定文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者等(管理責任者がある場合は、その者)は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。
(管理又は修理等の補助)
第10条 指定文化財の管理又は修理等に要する経費は、所有者等の負担とする。ただし、多額の費用を要し、所有者等がその負担にたえない場合その他特別の事由がある場合には、市は当該所有者等に対し予算の範囲内で補助金を交付することができる。
2 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として管理又は修理等に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理又は修理等について指揮監督することができる。
3 教育委員会は前項に定めるもののほか、補助金の交付を達成するために必要な事項について条件を付することができる。
(1) 管理又は修理等に関し条例、規則又は教育委員会規則に違反したとき。
(2) 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき。
(3) 第2項の補助の条件に従わなかったとき。
(管理又は修理等に関する勧告)
第11条 指定文化財の管理が適当でないため指定文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、教育委員会は、所有者等また管理責任者に対し、管理方法の改善、記録の作成、伝承者の養成、修理保存、その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。
2 指定文化財がき損している場合において、その保存のために必要があると認めるときは、教育委員会は所有者等に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。
3 前2項の規定による勧告に基づいてする措置に要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を市の負担とすることができる。
2 指定文化財の保護上必要があると認めるときは、教育委員会は、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導と助言を与えることができる。
(現状変更等の制限)
第13条 指定文化財に関しその現状を変更し又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合はこの限りでない。
2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は教育委員会規則で定める。
(環境保全)
第14条 教育委員会は、指定文化財の保全のため必要があると認めるときは、地域を定めて一定の行為を制限し、若しくは禁止し、又は必要な施設をすることを命ずることができる。
2 前項の規定による処分によって損失を受けた者に対しては、市はその損失を予算の範囲内で補償することができる。
(公開)
第15条 教育委員会は、指定文化財の所有者等に対し、6月以内の期間を限って教育委員会の用に供するため、指定文化財を公開することを勧告することができる。
2 教育委員会は、指定文化財の所有者等に対し、3月以内の期間を限って市指定文化財の公開を勧告することができる。
4 市は、第1項の規定により公開した所有者等に対し報償等を支払うことができる。
5 教育委員会は、第1項の規定により指定文化財が公開されたときは、その職員のうちから指定文化財の管理の責に任ずべき者を定めなければならない。
6 教育委員会は、第2項の規定による公開及び当該公開に係る指定文化財の管理に関し必要な指示をすることができる。
(調査)
第16条 教育委員会は、必要があると認めるときは、指定文化財の所有者等又は管理責任者に対し、当該指定文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(所有者変更に伴う権利義務の承継)
第17条 指定文化財の所有者等が変更したときは、新所有者等は、当該指定文化財に関しこの条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者等の権利義務を承継する。
(標識等の設置)
第18条 指定文化財の所有者等は、教育委員会の定める基準により特別のほか指定文化財の管理保存に必要な標識、説明板、境界線、囲さくその他の施設を設置するものとする。
第3章 市選定保存技術
(選定)
第19条 教育委員会は、市内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のため欠くことのできないもの(法第147条第1項の規定により選定保存技術に選定されたもの及び県条例第40条第1項の規定により千葉県選定保存技術に選定されたものを除く。)のうち市として保存の措置を講ずる必要があるものを勝浦市選定保存技術(以下「選定保存技術」という。)として選定することができる。
(解除)
第20条 教育委員会は、選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなった場合その他特殊な事由があるときは、その選定を解除することができる。
3 選定保存技術について法第147条第1項の規定による選定保存技術又は県条例第40条第1項の規定による千葉県選定保存技術としての選定があったときは、当該選定保存技術の選定は、解除されたものとする。
(保存)
第22条 教育委員会は、選定保存技術の保存のため必要があると認めるときは、選定保存技術について自ら記録の作成、伝承者の養成その他その保存のため適当な措置を執ることができるものとし、市は、保持者又はその保存に当たることを適当と認める者に対しその保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。
(保存に関する指導又は助言)
第23条 教育委員会は、選定保存技術の保持者又はその保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な指導又は助言をすることができる。
第4章 市文化財審議会
(設置)
第24条 文化財の保存及び活用に関し教育委員会の諮問に答え又は意見を具申し及びこれらに必要な調査研究を行うため審議会を置く。
(組織)
第25条 審議会は委員10人以内で組織する。
2 委員は学識経験のある者のうちから教育委員会が委嘱する。
3 委員の任期は2年とし再任を妨げない。委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長等)
第26条 審議会に会長及び副会長を置く。
2 会長及び副会長は委員が互選する。
3 会長は審議会を代表し、その会務を総理する。
4 副会長は、会長を補佐し会長に事故あるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を行う。
(議事)
第27条 審議会の会議は会長が招集する。
2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ会議を開き、議決をすることができない。
3 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し可否同数のときは、会長の決するところによる。
第5章 補則
(施行規則)
第28条 この条例の施行に関し必要な事項は教育委員会規則で定める。
第6章 罰則
(刑罰)
第29条 指定文化財を故意に損壊し、き棄し、又は隠匿、滅失、衰亡するに至らしめた者は、3万円以下の罰金又は科料に処する。
附則
(施行期日)
1 この条例は、公布の日から施行する。
(勝浦市文化財の保護に関する条例の廃止)
2 勝浦市文化財の保護に関する条例(昭和42年勝浦市条例第31号)は廃止する。
(特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
3 特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年勝浦市条例第104号)の一部を次のように改正する。
別表区分の欄中「文化財審議委員」を「文化財審議会委員」に改める。
附則(平成17年3月25日条例第6号)
この条例は、平成17年4月1日から施行する。
附則(平成18年12月15日条例第25号抄)
(施行期日)
1 この条例は、平成19年6月1日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
(1)から(3)まで 略
(4) 第6条に係る規定 平成19年3月1日