○勝浦市ハラスメントの防止等に関する要綱
平成31年2月25日
告示第12号
(趣旨)
第1条 この要綱は、人事行政の公正の確保、職員の利益の保護及び職員の能率の発揮を目的として、ハラスメントの防止及び排除のための措置並びにハラスメントに起因する問題が生じた場合の措置に関し必要な事項を定めるものとする。
(1) ハラスメント セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント及びその他の不適切な行為をいう。
(2) セクシュアルハラスメント 他の者を不快にさせる職場における性的な言動及び職員が他の職員を不快にさせる職場外における性的な言動をいう。
(3) パワーハラスメント 職務に関する優越的な関係を背景として行われる、業務上必要かつ相当な範囲を超える言動であって、職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、職員の人格若しくは尊厳を害し、又は職員の勤務環境を害することとなるようなものをいう。
(4) 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント 職場における次に掲げるものをいう。
ア 職員に対する次に掲げる事由に関する言動により当該職員の勤務環境が害されること。
(ア) 妊娠したこと。
(イ) 出産したこと。
(ウ) 妊娠又は出産に起因する症状により勤務することができないこと若しくはできなかったこと又は能率が低下したこと。
(エ) 不妊治療を受けること。
イ 職員に対する妊娠、出産、育児又は介護に関する制度又は措置の利用に関する言動により当該職員の勤務環境が害されること。
(5) その他の不適切な行為 前3号のように明確に定義されていないが、行為者本人の意図にかかわらず、人格と尊厳を傷つける言動で、他の者に不利益や不快感を与える行為をいう。
(6) ハラスメントに起因する問題 ハラスメントのため職員の勤務環境が害されること及びハラスメントへの対応に起因して職員がその勤務条件につき不利益を受けることをいう。
(7) 職場 職員が職務に従事する場所をいい、通常勤務している場所以外の場所及び懇親の場等であって職務と密接に関連するものを含むものとする。
(任命権者の責務)
第3条 任命権者は、職員がその能率を充分に発揮できるような勤務環境を確保するため、ハラスメントの防止及び排除に関し、必要な措置を講ずるとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合等においては、必要な措置を迅速かつ適切に講じなければならない。
2 任命権者は、ハラスメントに関する相談又は苦情(以下「相談等」という。)の申出、当該相談等に係る調査への協力その他ハラスメントに対する職員の対応に起因して、当該職員が職場において不利益を受けることがないようにしなければならない。
(職員の責務)
第4条 職員は、ハラスメントをしてはならない。
2 職員は、ハラスメントが個人の尊厳や名誉を不当に傷つけ、労働意欲の低下や勤務環境の悪化を招き、本市行政の円滑な運営を阻害するものであることを自覚するとともに、他の職員の人権を尊重し、円滑に業務を遂行するよう努めなければならない。
3 職員は、次条の指針の定めるところに従い、ハラスメントをしないように注意するとともに、その防止及び排除に努めなければならない。
4 職員を管理又は監督する地位にある職員は、良好な勤務環境を確保するため、日常の執務を通じた指導等により、ハラスメントの防止及び排除に努めるとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合等においては、迅速かつ適切に対処しなければならない。
(職員に対する指針)
第5条 市長は、ハラスメントの防止及び排除のために職員が認識すべき事項、ハラスメントに起因する問題が生じた場合において職員に望まれる対応等について、指針を定め、周知徹底を図るものとする。
(研修等)
第6条 市長は、ハラスメントを防止し、及び排除し、良好な勤務環境を形成するため、職員に対し必要な研修等を実施するよう努めなければならない。
(相談窓口の設置)
第7条 市長は、ハラスメントに関する相談又は苦情に対応するため、総務課に相談窓口を置く。
2 相談窓口に責任者及び相談員を置き、責任者は総務課長を、相談員は総務課職員係の職員をもって充てる。
3 相談窓口は、2人以上の相談員をもって相談又は苦情に対応するものとする。
4 相談窓口は、ハラスメントによる直接の被害を受けた職員だけでなく、他の職員から相談又は苦情が寄せられた場合においても、これに対応するものとする。
5 相談窓口は、ハラスメントが生じている場合だけでなく、ハラスメントを未然に防止するため、その発生のおそれがある場合、又はハラスメントに該当するか不明な場合についても、相談又は苦情として受け付けるものとする。
(相談又は苦情への対応)
第8条 相談員は、苦情相談に対応するに当たり、別紙に定める留意事項に十分留意しなければならない。
2 相談員は、相談又は苦情があったときは、事実関係の確認、関係者への事情聴取等を行い、適切な解決を図るよう努めなければならない。
3 相談員は、前項の規定により事実関係を確認した場合は、責任者へ報告するものとする。
4 責任者は、相談員を指揮し、相談又は苦情に適切かつ迅速に解決する対策を講じなければならない。
5 任命権者は、ハラスメントの事実が確認された場合は、必要に応じ、ハラスメントの行為者及び所属長等に対し、懲戒処分等を含めた人事管理上の措置を講ずるものとする。
6 任命権者、責任者及び相談員は、関係者の個人情報等の保護に努め、知り得た情報の秘密を厳守するとともに、関係者が不当な不利益を被らないよう留意しなければならない。
(再発防止措置)
第9条 任命権者は、ハラスメントの事案が生じたときは、ハラスメント防止に関する研修の実施等、適切な再発防止策を講じなければならない。
(委任)
第10条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この告示は、平成31年4月1日から施行する。
附則(令和5年3月10日告示第18号)
この告示は、令和5年4月1日から施行する。
別紙
ハラスメント相談員の苦情相談における留意事項
(基本的な心構え)
第1 職員からの苦情相談を受けるに当たり、相談員は次の事項に留意する。
1 被害者を含む当事者にとって適切かつ効果的な対応は何かという視点を常に持つこと。
2 事態を悪化させないために、迅速な対応を心がけること。
3 関係者のプライバシーや名誉その他の人権を尊重するとともに、知り得た秘密を厳守すること。
(苦情相談の事務の進め方)
第2 苦情相談の事務の進め方
1 苦情相談を受ける際の相談員の体制等
(1) 苦情相談を受ける際には、2人以上の相談員で対応すること。
(2) 同席する相談員の選定に当たっては、苦情の相談をする職員(以下「相談者」という。)の同意を得ること。
(3) 相談員は、苦情相談に適切に対応するために、相互に連携し、協力すること。
(4) 実際に苦情相談を受けるに当たっては、その内容を相談員以外の者に見聞されないよう周りから遮断した場所で行うこと。
2 相談者から事実関係等を聴取するに当たっては、次の事項に留意する必要がある。
(1) 相談者の求めるものを把握すること。将来の言動の抑止等、今後も発生が見込まれる言動への対応を求めるものであるのか、又は喪失した利益の回復、謝罪要求等過去にあった言動に対する対応を求めるものであるのかについて把握する。
(2) どの程度の時間的な余裕があるのかについて把握すること。相談者の心身の状態等に鑑み、苦情相談への対応に当たりどの程度の時間的な余裕があるのかを把握する。
(3) 相談者の主張に真摯に耳を傾け丁寧に話を聴くこと。特に相談者が被害者の場合、ハラスメントを受けた心理的な影響から必ずしも理路整然と話すとは限らず、むしろ脱線することも十分想定される。事実関係を把握することは極めて重要であるので、忍耐強く聴くよう努める。
(4) 事実関係については、次の事項を把握すること。なお、これらの事実を確認する場合、相談者が主張する内容は当事者のみが知り得るものか、又は他に目撃者はいるのかを把握する。
ア 当事者(被害者及び加害者とされる職員)間の関係
イ 問題とされる言動が、いつ、どこで、どのように行われたか。
ウ 相談者は、加害者とされる職員に対してどのような対応をとったか。
エ 監督者、家族、知人等に相談を行っているか。
(5) 聴取した事実関係等を相談者に確認すること。聞き間違えの修正並びに聞き漏らした事項及び言い忘れた事項の補足のため、可能な範囲で聴取事項を書面で示したり、復唱するなどして相談者に確認する。
(6) 聴取した事実関係等は、必ず記録し保存しておくこと。
(7) 聴取した事実関係等は、総務課長に報告することを相談者に確認すること。