○勝浦市環境基本条例
平成11年12月22日
条例第19号
目次
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 環境の保全に関する基本的施策等(第8条―第20条)
第3章 地球環境保全の推進等(第21条)
第4章 環境の保全の推進体制等(第22条・第23条)
第5章 環境審議会(第24条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、環境の保全について、基本理念を定め、並びに市、事業者及び市民の責務を明らかにするとともに、環境の保全に関する施策の基本的な事項を定めることにより、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。
(1) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(2) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(3) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地下水位の著しい低下、地盤の沈下(鉱物の採掘のための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全は、現在及び将来の市民が健全で良好な環境の恵みを受けられ、その環境が将来にわたって維持されるよう適切に行われなければならない。
2 環境の保全は、社会経済活動その他の活動による環境への負荷をできる限り低減することその他の環境の保全に関する行動がすべての者の公平な役割分担のもとに自主的かつ積極的に行われるようになることによって、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、持続的に発展することができる社会の構築を旨とし、環境の保全上の支障を未然に防止するよう行われなければならない。
3 環境の保全は、環境の自然的構成要素が良好な状態に保持され、生物の多様性が確保され、及び人と自然が共生できるよう多様な自然環境が体系的に保全されることにより、地域の自然、文化、産業等の調和のとれた快適な環境を実現していくよう行われなければならない。
4 地球環境保全は、地域の特性を活かして、国際協力の見地から積極的に推進されなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、環境の保全を図るため、地域の自然的社会的条件に応じた施策を策定し、実施する責務を有する。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、事業活動を行うに当たっては、これに伴って生ずる公害を防止し、環境への負荷の低減に努め、又は自然環境を適正に保全するため、その責任において必要な措置を講ずる責務を有する。
2 事業者は、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が廃棄物となった場合にその適正な処理が図られることとなるように必要な情報の提供その他の措置を講ずる責務を有する。
3 前2項に定めるもののほか、事業者は、環境の保全上の支障を防止するため、物の製造、加工又は販売その他の事業活動を行うに当たって、その事業活動に係る製品その他の物が使用され、又は廃棄されることによる環境への負荷の低減に資するために必要な措置を講ずるよう努めるとともに、その事業活動において、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、役務等を利用するように努めなければならない。
4 前各項に定めるもののほか、事業者は、その事業活動に関し、環境の保全に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有する。
(市民の責務)
第6条 市民は、環境の保全上の支障を防止するため、その日常生活において、環境への負荷の低減に配慮し、公害の防止及び自然環境の適正な保全に努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、市民は、市が実施する環境の保全に関する施策に協力する責務を有し、地域の環境保全活動に積極的に参加するように努めるものとする。
(施策等の公表)
第7条 市長は、毎年、環境の状況、環境の保全に関する施策の実施状況等を公表するものとする。
第2章 環境の保全に関する基本的施策等
(環境基本計画の策定)
第8条 市長は、環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、勝浦市環境基本計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 環境の保全に関する長期的な目標
(2) 環境の保全に関する施策の方向
(3) 前各号に掲げるもののほか、環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、あらかじめ勝浦市環境審議会の意見を聴かなければならない。
4 市長は、環境基本計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
(市の施策の策定等に当たっての配慮)
第9条 市は、施策に関する計画の策定及び施策の実施に当たっては、環境の保全に十分配慮しなければならない。
(環境保全上の支障を防止するための規制)
第10条 市は、環境の保全上の支障を防止するために、次の各号に掲げる必要な規制の措置を講ずるものとする。
(1) 大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染又は悪臭の原因となる物質の排出、騒音又は振動の発生、地下水位の著しい低下又は地盤の沈下の原因となる地下水の採取その他の行為、土地利用及び公害の原因となる施設の設置に関し、公害を防止するために必要な規制の措置
(2) 自然環境を保全することが特に必要な区域における土地の形状の変更等の自然環境の適正な保全に支障を及ぼすおそれのある行為及び採捕、損傷その他の行為であって、保護することが必要な野生生物、地形若しくは地質又は温泉源その他の自然物の適正な保護に支障を及ぼすおそれのあるものに関し、その支障を防止するために必要な規制の措置
(3) 公害及び自然環境の保全上の支障が共に生ずるか又は生ずるおそれがある場合にこれらを共に防止するために必要な規制の措置
2 前項に定めるもののほか、市は、人の健康又は生活環境に係る環境の保全上の支障を防止するため、必要な規制の措置を講ずるように努めなければならない。
(環境の保全に関する協定の締結)
第11条 市は、環境保全上の支障を防止するため、事業者等と環境の保全に関する必要な協定を締結するように努めるものとする。
(環境保全上の支障を防止するための経済的措置)
第12条 市は、事業者又は市民が自ら環境への負荷を低減するための施設の整備その他の適切な措置を執るように誘導することにより環境の保全上の支障を防止するため、必要かつ適正な助成措置を講ずるものとする。
2 市は、事業者又は市民が自ら環境への負荷の低減に努めるように誘導することにより環境の保全上の支障を防止するため、適正な経済的負担を求める措置について調査及び研究を行い、その結果、その措置が特に必要であるときは、市民の理解のもとに、その措置を講ずるように努めるものとする。
(環境の保全に関する施設の整備その他の事業の推進)
第13条 市は、緩衝緑地その他の環境の保全上の支障を防止するための施設及び下水道その他の環境の保全上の支障の防止に資する施設の整備、その他環境の保全に関する事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
2 市は、公園、緑地その他の公共的施設の整備、その他の自然環境の適正な整備及び健全な利用のための事業を推進するため、必要な措置を講ずるものとする。
(環境への負荷の低減に資する製品等の利用の促進等)
第14条 市は、環境への負荷の低減を図るため、市民及び事業者とともに、資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用及び廃棄物の減量が促進されるように努めるものとする。
2 市は、再生資源その他の環境への負荷の低減に資する原材料、製品、役務等の利用が促進されるように努めるものとする。
(市民等の意見の反映)
第15条 市は、環境の保全についての施策に市民の意見を反映させるため、環境の保全についての施策のあり方等について市民等から提言を受けるための措置その他必要な措置を講ずるものとする。
(環境の保全に関する学習の推進)
第16条 市は、市民及び事業者が環境の保全への理解を深めるとともに、これらの者の環境の保全に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、環境保全に関する学習の機会の提供、広報活動の充実その他必要な措置を講じ、環境の保全に関する学習の推進を図るものとする。
(民間団体等の自発的な活動を促進するための措置)
第17条 市は、市民、事業者又はこれらの者の構成する民間の団体が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の保全に関する活動を促進するため、必要な支援措置を講ずるものとする。
(情報の提供)
第18条 市は、市民に対して環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。
(調査の実施)
第19条 市は、環境の状況の把握又は今後の環境の変化の予測に関する調査その他環境を保全するための施策の策定に必要な調査を実施するものとする。
(監視等の実施等及び研究等の推進)
第20条 市は、環境の状況を把握し、及び環境の保全に関する施策を適正に実施するため、必要な監視、測定、試験及び検査の体制を整備するとともにその実施に努めるものとする。
2 市は、環境の保全に関する科学技術の振興を図るため、試験研究の体制を整備するとともに研究開発の推進に努めるものとする。
第3章 地球環境保全の推進等
(地球環境保全の推進)
第21条 市は、地球環境保全に資する施策を積極的に推進するものとする。
第4章 環境の保全の推進体制等
(環境の保全の推進体制の整備)
第22条 市は、市、事業者及び市民との協力により、環境の保全を推進するための体制を整備するものとする。
(他の地方公共団体との協力)
第23条 市は、広域的な取組が必要とされる環境の保全に関する施策について、県及び他の市町村と協力して、その推進を図るものとする。
第5章 環境審議会
(設置)
第24条 環境の保全に関して、基本的事項を調査審議させる等のため、勝浦市環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。
2 審議会の組織及び運営に関し、必要な事項は、別に定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。
(勝浦市附属機関設置条例の一部改正)
2 勝浦市附属機関設置条例(昭和39年勝浦市条例第50号)の一部を次のように改正する。
別表第1中勝浦市公害対策審議会の項を次のように改める。
勝浦市環境審議会 | 環境の保全に関する事項を調査審議し、必要と認める事項を市長に答申する。 |
別表第2中勝浦市公害対策審議会の項を次のように改める。
勝浦市環境審議会 | 会長 | 1 市議会議員 | 3人 | 2年 |
副会長 | 2 学識経験者 | 4人 | ||
委員 | 3 団体等の役員 | 3人 |
(特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
3 特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年勝浦市条例第104号)の一部を次のように改正する。
別表中公害対策審議会委員の項を次のように改める。
環境審議会委員 | 同 | 5,500 |