○勝浦市小規模水道取扱要領
平成25年4月1日
告示第68号
第1 趣旨
この要領は、勝浦市小規模水道条例(平成24年勝浦市条例第27号。以下「条例」という。)に規定する小規模専用水道及び小規模簡易専用水道に関し、運用上必要とされる指導事項及び諸様式を定め、その取扱いを明確にし、条例の円滑な施行を図ることを目的とする。
第2 定義
1 小規模水道
(1) 水の供給を受ける者の数
条例第2条第1号の「50人以上の者」とは、次により算定されるものであること。
ア 共同住宅、宅造地等における居住人数
イ 学校、幼稚園、保育所等における職員数及び学童、園児数
ウ 病院、療養所等における職員数及び病床数
エ 旅館、ホテル等における従業者数及び宿泊収容定員
オ ゴルフ場、遊園施設等における従業者数及び利用定員
カ その他事業所における従業者数
(2) 臨時に施設されたもの
条例第2条第1号の「臨時に施設されたもの」とは、夏期のみ利用する海浜の宿泊施設における水道や工事現場等でおおむね6か月以内で工事完成とともに撤去される水道等をいうものであること。
2 小規模専用水道
条例第2条第2号で定める「小規模専用水道」とは、井戸等の自己水源によるもの、自己水源及び水道事業から供給を受ける水(水道水)を併用するもの、専用水道及び小規模専用水道から供給される水を水源とするもの等が該当するものであること。
3 小規模簡易専用水道
条例第2条第3号で定める「小規模簡易専用水道」とは、水道法で規定する「簡易専用水道」に対応するもので、受水槽の有効容量の合計が10m3以下である小規模水道をいうものであること。
第3 小規模専用水道
1 届出
(1) 確認申請
ア 条例第6条の規定による小規模専用水道の工事設計の確認に際しては、水道施設の技術的基準を定める省令(平成12年厚生労働省省令15号)に準拠すること。
ウ 条例第6条第2項で定める工事設計書に記載すべき水源の水質検査の結果とは、水源、原水について行った水質基準に関する省令(平成15年厚生労働省令第101号)の表の上欄に掲げる事項のうち、20の項から30の項まで及び47の項を除くすべての事項に関する検査結果の記載を指導するものとする。
(2) 給水開始前の検査
ア 条例第8条第2項の規定による市長の行う施設検査は、勝浦市小規模水道施行規則(以下「規則」という。)第5条に定める小規模専用水道施設に係る次の事項について行うこと。
(ア) 工事設計どおりの施設となっているか
(イ) 水槽内に工事残渣は混入していないか、清掃、洗浄が行われているか
(ウ) 立入禁止措置及び汚染防止措置はとられているか
(エ) 給水末端における遊離残留塩素濃度は0.1mg/l(結合残留塩素濃度の場合は0.4mg/l)以上保持しているか
(オ) 消毒設備の作動は正常か
(カ) 主要管路や水槽等において漏水はないか
(キ) 給水栓末端での水圧は適当か
(ク) 各施設の設置場所等は維持管理に支障ないか
なお、不合格の場合はその理由を具体的に指摘し、改善終了後再度検査を実施するものであること。
(3) 変更の届出
変更の届出については、小規模専用水道と小規模簡易専用水道とでは、届出事項が異なるものであることに留意すること。
(4) 既設水道施設利用の小規模専用水道の届出
ア 小規模専用水道でない水道が水道施設の工事を伴わず小規模専用水道となった場合は、小規模専用水道届出書(別記第4号様式)に次の書類を添付した届出を指導するものとする。
(ア) 小規模専用水道に該当するに至ったまでの経過を記載した書類
(イ) 給水末端における水質検査の結果を記載した書類
(ウ) その他確認申請に準ずる書類
イ アの届出を受理した場合は、その内容を審査し、施設に不備が認められるときは適宜指導するものとする。
(5) 無確認工事の届出
条例第5条に定める確認を受けずに布設工事が行われた場合は、当該布設工事を行った者から始末書等を徴収し1の(4)アの取扱いに準じ、届出を指導するものとする。
(6) 設置者の地位承継の届出
設置者の地位の承継については、規則で定める小規模専用水道変更届による届出を指導するものとする。
(7) 布設工事着手延期の届出
イ 小規模専用水道布設工事延期届出書が未提出で、会社倒産等により申請者が存在せず、かつ長期間工事未着手であることを調査確認した場合は、台帳上廃止として取扱うものとする。
(8) 設置中止の届出
(9) 廃止の届出
ア 小規模専用水道が給水人数の減少、施設規模の縮小又は消滅等により小規模専用水道でなくなった場合は、規則で定める小規模専用水道廃止届による届出を指導するものとする。
なお、給水人数の減少、小規模専用水道でなくなる場合は適正規模への施設縮小、給水方法の変更等を指導するものとする。
イ 条例第5条に定める確認を受けた設計に係る布設工事が着手されたが、当該確認の申請者が当該小規模専用水道とする意思を放棄したときは、規則で定める小規模専用水道廃止届による届出を指導するものとする。
なお、工事の完了予定年月日を過ぎても給水開始前の届出がない場合は、現地調査を行い、適宜指導するものとする。
(10) 浄水受水小規模専用水道の届出
浄水受水小規模専用水道(専用水道若しくは小規模専用水道から供給される水のみを水源とする小規模専用水道)については、次により取扱うものとする。
ア 条例第8条に規定する「水質検査の結果」については、当該小規模専用水道に水を供給する専用水道若しくは小規模専用水道の浄水の水質検査結果書の写しの添付を指導するものとする。
イ 再塩素消毒設備については、次によること。
(ア) 給水栓における水が残留塩素を規定どおり保持できないことが予想される施設については、布設工事時点での設置を指導するものとする。
(イ) その他の施設については、給水開始後の実績により必要性を判断し指導する。
2 維持管理
規則第8条に定める衛生上必要な措置のほか、次項を指導するものとする。
(1) 管理体制の整備
ア 図面等の整備維持管理を行っていくうえで必要な配管系統図等主要施設の図面、書類、工具及び検査機器等を整備保管すること。
イ 記録の保存
施設の点検、清掃、修理及び従事者の健康診断並びに水質検査を行った場合はその記録を作成し、保存すること。
なお、その保存期間は次による。
給水開始前、定期及び臨時の水質検査結果 | 5年 |
定期及び臨時の健康診断の結果 | 1年 |
施設の点検、清掃、修理等の実施記録 |
ウ 連絡通報体制
通常から水道施設や水源の監視を行い、水源又は施設の異常を発見したときは直ちに適切な対策が講じられるよう連絡体制を整備すること。
(2) 衛生管理
ア 立入禁止措置
水源及び各施設の周囲にみだりに人等が立ち入ることのないよう立札掲示、柵の設置、施錠等の措置を講じること。
イ 汚染の防止
汚水の流入や逆流、漏水等に十分注意するほか、施設内外の清潔保持及び汚染防止に努めること。
ウ 残留塩素の保持
給水末端における遊離残留塩素濃度は常に0.1mg/l(結合残留塩素濃度の場合0.4mg/l)以上確保するよう消毒設備の調整を行うとともに、消毒薬の予備を備えること。
(3) 施設管理
ア 定期点検
水道施設各部(沈砂、貯水、ろ過、消毒設備等の各施設)について定期的に点検を行い、清潔の保持及び異常の早期発見に努めること。
イ 水槽等の定期的清掃
各種水槽は、1年に1回以上定期的に清掃するほか、水あかや沈積物が多い等必要がある場合は、臨時の清掃を行うこと。
また、清掃を行う者は建築物における衛生的環境の確保に関する法律(昭和45年法律20号。以下「建築物衛生法」という。)に規定する建築物飲料水貯水槽清掃業の登録を受けた者を活用すること。
(4) 水質管理
ア 毎日検査
色及び濁り並びに残留塩素について、1日1回以上検査を行うこと。
イ 定期の水質検査
(ア) 概ね6か月ごとに行う検査とは、水質基準に関する省令の表の上欄に掲げる事項に関する検査(以下「全項目検査」という。)とし、原則として年1回は全項目検査を実施すること。
(イ) 年1回行う全項目検査の結果が水質基準に適合し、異常がないと認められた場合の次回の水質検査については、規則第7条第2項の規定を適用し、水質基準に関する省令の表(以下「基準の表」という。)中1の項、2の項、37の項、45の項から50の項の上欄に掲げる事項に関する検査以外の検査については、その全部又は一部を省略することができるものとし、9項目の検査の実施で差し支えないこと。
(ウ) 水源の種別、取水地点又は浄水方法が変更されずかつ水源の種別及び水源に水又は汚染物質を排出する施設の設置の状況等から原水の水質が大きく変わるおそれが少ないと認められる場合は、規則第7条第2項の規定により、全項目検査を実施した翌年及び翌々年の年1回行う全項目検査は、基準の表中31の項から36の項まで及び38の項から44の項までの上欄に掲げる事項に関する検査の全部又は一部を省略することができること。
なお、基準の表中3の項から30までの上欄に掲げる事項に関する検査については、前回における当該事項についての検査の結果が、当該事項に係る水質基準値の10分の1以下であるときは、概ね3年に1回以上まで省略することができること。
(エ) 浄水を受水する小規模専用水道にあっては、水質基準に適合する水の供給を受けることから、水の供給を受ける水道の水質検査結果を入手することにより、上記(ア)から(ウ)で規定する全項目検査については、次のとおりとすることができること。
a 基準の表中3の項から5の項まで、7の項、11の項から19の項まで、35の項、36の項及び38の項から44の項までの上欄に掲げる事項に関する検査については、検査を省略することができる。
b 基準の表中6の項、8の項及び31の項から34の項までの上欄に掲げる事項に関する検査については、使用する配管等資機材の使用状況から、検査を省略することができる。
(オ) 水道法施行規則第15条第1項第4号の規定を準用し、一定の項目については、過去の検査結果が基準値の2分の1以下でありかつ原水並びに水源及び周辺の状況等から勘案し、その全部又は一部を行う必要がないことが明らかであると認められる場合は、その検査を省略することができること。
なお、検査を省略した場合であっても、概ね3年に1回程度は省略した項目についても水質検査を行い、水道水質の状況に変化がないことを確認するよう指導すること。
(カ) 全項目検査は、水質が最も悪化する次期を考慮して実施するよう努めること。
(キ) 確認申請時の水源の水質検査、給水開始前の水質検査並びに定期及び臨時の水質検査については、保健所、衛生研究所等の地方公共団体の機関又は水道法に基づく厚生労働大臣の登録を受けた者若しくは「建築物衛生法」に規定する建築物飲料水水質検査業の登録を受けた者に依頼すること。
ウ 臨時の水質検査
臨時の水質検査は、次のような場合に定期水質検査の検査項目に準じて実施すること。
(ア) 水源の水質が著しく悪化したとき。
(イ) 水源に異常があったとき。
(ウ) 水源付近、給水区域及びその周辺において、消化器系感染症が流行しているとき。
(エ) 浄水工程に異常があったとき。
(オ) 配水管の大規模な工事その他水道施設が著しく汚染されたおそれのあるとき。
(カ) その他必要のあるとき。
エ 原水の水質検査
(ア) 浄水化施設(消毒施設のみを除く。)が設置されている施設については、必要に応じ原水の水質検査を実施し、浄化能力の確認に努めること。
(イ) クリプトスポリジウム等対策として、浄水受水以外の小規模専用水道施設にあっては、原水の指標菌(大腸菌及び嫌気性芽胞菌)検査を実施し、指標菌が検出された場合であってかつクリプトスポリジウム等を除去できる浄水処理を実施していない施設については、原水のクリプトスポリジウム等を3ヶ月に1回以上、指標菌を月1回以上検査し、クリプトスポリジウム等による汚染のおそれがないかの監視を行うこと。
クリプトスポリジウム等を除去又は不活化できる浄水処理を実施している施設については、適切な頻度で原水のクリプトスポリジウム等及び指標菌の検査を実施すること。
また、原水から指標菌が検出されていない場合でも、水源が地表水等の混入のない被圧地下水以外の場合は6ヶ月に1回以上、原水の指標菌検査を実施し、クリプトスポリジウム等による汚染のおそれがないかの監視を行うこと。
原水からの指標菌が検出されていない場合で、水源が地表水等の混入のない被圧地下水の場合は、3年に1回、全項目検査等で、トリクロロエチレン等の検査結果から被圧地下水以外の水の混入の有無を確認すること。ただし、トリクロロエチレン等の除去施設を持つ施設にあっては、原水で確認すること。
(5) 薬品の管理
ア 液化塩素を使用する場合は、高圧ガス保安法(昭和26年法律第204号)、一般高圧ガス保安規則(昭和41年通商産業省令第53号)等の関係法令・基準を遵守し、保安用具・設備を整備すること。
イ 次亜塩素酸ナトリウム溶液、その他浄水処理に使用する薬品については、その使用方法を適正に行うとともに、薬品の安全管理には万全を期すこと。
(6) 健康診断
(ア) 定期の健康診断
沈砂槽、貯水槽又は圧力水槽等で直接水を操作する業務の従事者及び構内居住者は、年1回以上、病原体がし尿に排泄される感染症の有無について健康診断を行うこと。
(イ) 臨時の健康診断
検診対象者に病原体がし尿に排泄される感染症が発生した場合又は発生するおそれのある場合は、その感染症について臨時の健康診断を行うこと。
3 報告の徴収
条例第8条第1項に定める給水開始前届出及び本要領第3の1(4)アに定める小規模専用水道届出を行った小規模専用水道施設にあっては、水道水質の状況を把握するまでの当面の間は水質検査結果について、次により報告を徴収するものとする。
なお、既存の小規模専用水道施設にあっても、水道水質の状況を把握していないと判断した場合は、上記と同様に取扱うものとする。
第4 小規模簡易専用水道
1 届出
(1) 給水開始の届出
ア 小規模簡易専用水道については、小規模専用水道と異なり、工事着手前の確認を要せず、条例第13条第1項の規定により給水開始後、届出を指導するものとする。
(2) 変更の届出
法人代表者の変更等の届出者の人格に変更を生じないものについては、届出を要しないものとする。
(3) 既設水道施設利用の小規模簡易専用水道
小規模簡易専用水道でない水道が水道施設の工事を伴わず小規模簡易専用水道となった場合は、小規模簡易専用水道届出書(別記第9号様式)に次の書類を添付した届出を指導するものとする。
ア 小規模簡易専用水道に該当するに至ったまでの経過を記載した書類
イ その他給水開始の届出に準ずる書類
(4) 廃止の届出
小規模簡易専用水道が給水人数の減少、施設規模の拡大、縮小又は消滅等により小規模簡易専用水道でなくなった場合は、規則で定める小規模簡易専用水道廃止届による届出を指導するものとする。
2 維持管理
規則第8条に定める衛生上必要な措置のほか、次項を指導するものとする。
(1) 管理体制の整備
ア 図面等の整備
維持管理を行っていくうえで必要な配管系統図等主要施設の図面、書類、工具及び検査機器等を整備保管すること。
イ 記録の保存
施設の点検、清掃、修理及び水質検査を行った場合はその記録を作成し、保存すること。
ウ 連絡体制の整備
水道施設の異常を発見した時は、直ちに適切な措置が講じられるよう連絡通報体制を整備すること。
(2) 衛生管理
ア 立入禁止措置
水道施設の周囲にみだりに人等が立ち入ることのないよう立札掲示、柵の設置及び施錠等の措置を講じること。
イ 汚染の防止
汚水の流入や逆流及び漏水等に十分注意するほか、施設内外の清潔保持及び汚染防止に努めること。
ウ 残留塩素の保持
給水末端で遊離残留塩素濃度を0.1mg/l以上(結合残留塩素濃度の場合は0.4mg/l以上)保持するよう必要に応じ再塩素消毒を行うこと。
(3) 施設管理
ア 定期点検
水道施設について定期的に点検を行い、清潔の保持及び異常の早期発見に努めること。
イ 水槽の定期的清掃
各種水槽は、1年に1回以上定期的に清掃するほか、特に水あかや沈積物が多い等必要がある場合は臨時の清掃を行うこと。
また、清掃を行う者は、「建築物衛生法」に規定する建築物飲料水貯水槽清掃業の登録を受けた者を活用すること。
(4) 水質管理
給水栓の水に異常を感じたときは、必要な水質検査を行うこと。
第5 立入検査及び行政措置
立入検査及び行政措置については、勝浦市水道施設立入検査実施要領(平成25年勝浦市告示第69号)に基づき取扱うものとする。
第6 台帳の管理
1 小規模専用水道の台帳(別記第2号様式)は、市民課健康管理係において作成し、各届出事項及び指導事項等を記入するものとする。
2 小規模簡易専用水道の台帳は、給水開始届出書に添付される施設概要書(別記第8号様式)に整理番号、届出年月日等を記入後台帳とし、各届出事項及び指導事項を記入するものとする。
第7 その他
「建築物衛生法」の適用を受ける小規模水道についてはこの要領の第3の2及び第4の2に定める維持管理に係る取扱いを適用しないものとする。
ただし、第3の2(4)の水質管理については除くものとする。
附則
この告示は、平成25年4月1日から施行する。
附則(平成28年3月3日告示第11号)
この告示は、平成28年4月1日から施行する。
附則(平成30年12月13日告示第121号)
この告示は、平成31年4月1日から施行する。
別記第1号様式
略
第2号様式
略
第3号様式
略
第4号様式
略
第5号様式
略
第6号様式
略
第7号様式
略
第8号様式
略
第9号様式
略