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令和2年度一般会計補正予算(第12号)に係る専決処分の不承認とその後の措置等について
1 専決処分を行った経緯について
令和2年度勝浦市一般会計補正予算(第12号)については、(仮称)かつうら海中公園再生計画事業の実施にあたり、既存施設の地質調査及び測量調査の資料の活用を前提としていたところ、その資料が不存在であったことから、新たに各調査を行う必要が生じたため、地質調査業務委託料及び測量業務委託料を計上して予算を編成しました。
また、本事業は、国の地方創生拠点整備交付金を活用するものであり、この交付金を活用するためには、原則として、令和3年度中の事業完了が条件となっていることから、その工程等を踏まえ、令和2年度中に地質調査及び測量調査の資料が必要となるため、地方自治法第179条第1項に規定する専決処分のうち、「特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がない」ものと判断し、去る令和3年2月5日に専決処分を行いました。
2 専決処分後の議会提案について
専決処分については、地方自治法第179条第3項の規定により、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならないとされており、これに基づき、令和3年3月市議会定例会に承認を求める議案を提案しましたが、「客観的に議会を招集する時間的余裕がなかったものとは認められない。」との意見があり、不承認となりました。
3 専決処分の不承認になった場合の措置について
専決処分は、議会の承認が得られなくてもその効力に影響はありませんが、地方自治法第179条第4項の規定により、「予算に関する処置について承認を求める議案が否決されたときは、普通地方公共団体の長は、速やかに、当該処置に関して必要と認める措置を講ずるとともに、その旨を議会に報告しなければならない。」とされています。
「必要と認める措置」として、説明責任を果たすという観点から、上記のとおり専決処分を行った経緯及び専決処分が不承認となったことについて、市ホームページを通じて市民の皆様に説明させていただくこととしました。
4 今後の市政運営について
今回の専決処分の不承認については、市長として大変重く受け止め、今後、補正予算を編成する際には、出来うる限り臨時会を招集し、十分ご審議いただくよう努めるとともに、法令を遵守し、適正な事務執行に努め、市民の皆様にご理解いただけるよう、鋭意努力してまいる所存であります。
5 用語解説と条文の抜粋
専決処分
本来議会において議決、決定する事件について、特定の場合に地方公共団体の長が議会に代わって当該事件を処分することです。
定例会
地方公共団体の議会の会議の種類のひとつ。定例会は付議事件の有無にかかわらず、定例的に、毎年条例で定める回数招集するものです。勝浦市では年4回と定め、毎年3月、6月、9月、12月に開会しています。
臨時会
地方公共団体の議会の会議の種類のひとつ。臨時会は必要がある場合において、特定の事件に限って招集するものです。
補正予算
予算の調製後に生じた事由に基づき、既定の予算に追加その他の変更を加える必要が生じたときに調整する予算です。
地方自治法第179条
普通地方公共団体の議会が成立しないとき、第113条ただし書の場合においてなお会議を開くことができないとき、普通地方公共団体の長において議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき、又は議会において議決すべき事件を議決しないときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決すべき事件を処分することができる。ただし、第162条の規定による副知事又は副市町村長の選任の同意及び第252条の20の2第4項の規定による第252条の19第1項に規定する指定都市の総合区長の選任の同意については、この限りでない。
2 議会の決定すべき事件に関しては、前項の例による。
3 前二項の規定による処置については、普通地方公共団体の長は、次の会議においてこれを議会に報告し、その承認を求めなければならない。
4 前項の場合において、条例の制定若しくは改廃又は予算に関する処置について承認を求める議案が否決されたときは、普通地方公共団体の長は、速やかに、当該処置に関して必要と認める措置を講ずるとともに、その旨を議会に報告しなければならない。