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固定資産税に関するQ&A
固定資産税に関するQ&A
Q.固定資産の評価替えとは何ですか?
A.固定資産税は、固定資産の価格、すなわち「適正な時価」を課税標準として課税されるものです。
ですから、本来であれば毎年度評価替えを行い、これによって得られる「適正な時価」をもとに課税を行うことが納税者間における税負担の公平に資することになりますが、膨大な量の土地、家屋について毎年度評価を見直すことは、実務的には事実上不可能であることや、課税事務の簡素化を図り徴税コストを最小に抑える必要もあること等から、土地と家屋については原則として3年間評価額を据え置く制度、言い換えれば、3年毎に評価額を見直す制度がとられているところです。
この意味から、評価替えは、この間における資産価格の変動に対応し、評価額を適正な均衡のとれた価格に見直す作業であるといえます。
なお、土地の価格については、2025年度(令和7年度)・2026年度(令和8年度)において地価の下落があり、価格を据え置くことが適当でないときは、簡易な方法により、評価を修正できることとなっています。
Q.地価が下落しているのに、税額が上がるのはおかしいのではないでしょうか?
A.土地に係る固定資産税は、評価額が急激に上昇した場合であっても、税負担の上昇はゆるやかなものになるよう、課税標準額を徐々に是正する負担調整措置が講じられています。
地価が下落する中で税負担が上昇する土地は、本来の課税標準額に比べて、現在の課税標準額が低いため負担調整措置により本来の課税標準額に向けた是正過程にあるものです。したがって、課税の公平の観点からやむを得ないものと考えられます。
なお、2025年度(令和7年度)、2026年度(令和8年度)については、地価の下落があり、価格を据え置くことが適当でないときは、据置年度でも価格を修正することとされており、地価の下落が評価額に適切に反映されることとなっています。
Q.負担水準のばらつきを是正するための税負担の調整措置が講じられているとのことですが、そもそもなぜ土地ごとの負担水準のばらつきが生じたのですか?
A.平成6年度に、評価の均衡を図るため、宅地の評価水準を全国一律に地価公示価格等の7割を目途とする評価替えが行われましたが、それまで評価水準が市町村ごとにばらばらでしたので、各宅地の評価額の上昇割合にもばらつきが生じることになりました。
一方、この評価替えによって税負担が急増しないようにするため、なだらかに課税標準額を上昇させる負担調整措置が講じられました。
この結果、評価額と課税標準額との間に大きな開きが生じるとともに、各宅地の間の評価額の上昇の違いがそのまま課税標準額の上昇の違いとはならず、評価替えによる評価額の上昇が大きかった土地ほど負担水準(評価額に対する前年度課税標準額の割合)が低いという状況が生じました。これがいわゆる「負担水準のばらつき」となったわけです。
さらに、平成4年以降、全国的に地価の下落が始まり、地価の下落が大きい土地、すなわち負担水準の分母となる評価額が大きく下がった土地ほど負担水準が高くなるという傾向が生じましたが、地価の下落幅は土地ごと、地域ごとに異なっていましたので、負担水準のばらつきが拡大する結果をもたらしました。
このように、現在の負担水準のばらつきは、平成6年度の評価替え以前の市町村ごとの評価水準のばらつきと、その後の地価下落の程度のばらつきに原因がありますが、課税の公平の観点からはこれをできるだけ早く解消する必要があり、そのための措置が平成9年度から講じられているところです。
Q.固定資産税の宅地の評価について、地価公示価格等をベースにしているのはなぜでしょうか?
A.平成6年度の評価替えから、宅地の評価については地価公示価格等の7割を目途に行うこととされました(いわゆる「7割評価」)。
これは、
- 固定資産税評価において、市町村間、地域間にばらつきがあり、その均衡化・適正化を図ることが要請されたこと
- 平成元年に制定された土地基本法において公的土地評価相互の均衡と適正化を図ることとされ、平成3年に閣議決定された総合土地政策推進要綱において、「相続税評価との均衡にも配慮しつつ、速やかに、地価公示価格の一定割合を目標に、固定資産税評価の均衡化・適正化を推進する」とされたこと
- 当時、相続税評価は、地価公示価格の7割を目安として行われていたこと
などを踏まえ、政府税制調査会等における様々な論議を経て、政府全体の方針として決定されたものです。
「7割評価」には、
- 公的土地評価の信頼性を確保するとともに、固定資産税の土地評価に対する理解を得ることができる
- 地価公示価格という全国統一の客観的な物差しを導入することによって、より合理的に評価を行うことが可能になり、全国的な評価の均衡を確保できる
- 過大な評価、不均衡な評価が行われていないかどうかを判断しやすくなる
などの意義があるものと考えられます。
Q.私は、令和2年9月に住宅を新築しましたが、令和6年度分から税額が急に高くなっています。なぜでしょうか?
A.新築の住宅については、一定の要件に当たるときは、新たに固定資産税が課税されることとなった年度から3年度分に限り、税額が2分の1に減額されます。
したがって、あなたの場合は、令和3・4・5年度分については税額が2分の1に減額されていたわけです。
また、3階建以上の中高層耐火住宅等については、一定の要件にあたるときは、新たに固定資産税が課税されることとなった年度から5年度分に限り、税額が2分の1に減額されます。
したがって、減額適用期間が終了したことにより、本来の税額になったためです。
Q.私は、令和5年10月に住宅を壊しましたが、土地については、令和6年度分から税額が急に高くなっています。なぜでしょうか?
A.土地の上に一定要件を満たす住宅があると「住宅用地に対する課税標準の特例」が適用され、減額されます。
しかし、住宅の滅失やその住宅としての用途を変更すると、本特例の適用から外れることになるためです。
Q.私の家屋は昭和45年に建築されたものですが、家屋については年々老朽化していくのに、評価が下がらないのはおかしいのではないでしょうか?
A.家屋の評価額は、評価の対象となった家屋と同一のものを評価替えの時点においてその場所に新築するものとした場合に必要とされる建築費に、家屋の建築後の年数の経過によって生ずる損耗の状況による減価等をあらわした経年減点補正率を乗じて求められます。
ただし、その価額が前年度の価額を超える場合は、通常、前年度の価額に据え置かれます。
家屋の建築費は、平成5年頃からそれまで続いていた上昇傾向が沈静化し、以後は建築資材価格等が下落傾向を示しています。
このようなことから、比較的建築年次の新しい家屋については、評価替えごとにその価額が下落しています。
一方、建築年次の古い家屋については、過去に建築費の上昇が続く中、評価額が据え置かれていたこともあって、近年の建築資材価格等の下落を加味した評価額があっても、以前から据え置かれている価額を下回るまでにはいたらず、評価額が下がらないといったことがあります。
Q.私は、令和5年11月に自己所有地の売買契約を締結し、令和6年3月には買主への所有権移転登記を済ませました。令和6年度の固定資産税は誰に課税されますか?
A.令和6年度の固定資産税は、あなたに課税されます。
地方税法の規定により、土地については賦課期日(毎年1月1日)現在、土地登記簿に所有者として登記されている人に対し、当該年度分の固定資産税を課税することになっているからです。